車内への子どもの取り残しは、家庭においても注意が必要です。JAFの行ったアンケート調査では、「時間の長さに関わらず、少しの時間であっても子どもを車内に残したまま車を離れたことがありますか?」との質問に対して、54.9%が「ある」と回答しています(※3)。閉め切られた車内は、特に夏場は短時間で高温になり、熱中症の危険があります。キーの置き忘れ・誤操作や誤作動によりロックされるトラブルも発生しているため、キーは肌身離さず携帯し、ほんの少しであっても車内に子どもを残すことがないようにしましょう。
事例1:買い物終わりに車のチャイルドシートに子どもを座らせ、横にキーを置いたままドアをロックしてしまい子どもが閉じ込められた。約15分後にスペアキーを使って救出したが、大量の汗をかき顔色が悪かったため救急要請し、病院に搬送された。(0歳3か月)(※4)
車内の閉じ込め、取り残しに限らず、子どもだけが残される場面では、保護者の目が離れるため、身近な危険に子どもが近づきやすい状況になります。転落事故や溺水事故など命に関わるような事故も発生しています。
事例3:保護者が子どもを残して先に風呂から上がった。5分程度離れて浴室に戻ると、浴槽内にうつぶせで浮かんでいたため、救急要請した。電話で指示を受けながら心肺蘇生を行ったところ、2分程度で体が動き、咳込んだ。入院が必要となった。(3歳)(※4)
事例4:自宅の1階に親族で集まる間、子どもは2階の部屋で一人でお昼寝をしていた。ベビーモニターで様子を確認できるようにしていたが、目が覚めた子どもが階段を20段ほど転がり落ちて顔面を打撲した。部屋と階段の間には安全柵を設置していなかった。(1歳)(※4)
事故を防ぐためには、保護者が子どものいる場所の危険性を認識し、手の届く範囲、目の届く範囲、声の届く範囲など、状況に応じた適切な見守りをすることが大切です。一方で、保護者が常に目を離さずにいることは難しく、仮に見ていてもすぐそばにいなければ助けられるとは限りません。普段から事故が起こりにくい環境づくりを行いましょう。その上で、見守りに便利な機器などを補助的に活用したり、普段から安全につながる行動を習慣化するなど工夫してみてはいかがでしょうか。
<事故防止のための環境作りの例>
(※4)消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和5年7月現在で32機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。
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