「子ども安全メール from 消費者庁 Vol.
631」より抜粋
夏本番も間近、花火を楽しむ機会も増えていく時期です。花火をする際は、やけどの事故に注意が必要です。東京消防庁管内では、2021年までの5年間に、花火による事故で22人が救急搬送され、そのうち1~3歳児が半数以上を占めています(※1)。
消費者庁・国民生活センターには、花火の際の子どもの事故情報が、医療機関(※2)から寄せられています。
事例1:花火で遊んでいる最中に、手持ちの吹出花火の火をつかんでしまった。左手指にI度~II度の熱傷。(1歳)
事例2:花火を振り回し、直後に風で火花がスカートに飛んで着火し、燃え上がった。保護者がはたいても火が消えず服を脱がせた。右太ももにI度~II度の熱傷。水疱は破れていた。(6歳)(※1)
事例3:花火がサンダルの上に落ちた。右足の指と足の裏に水疱・紅斑(こうはん)あり。II度の熱傷を認めた。(2歳)(※1)
事例4:自宅に兄が二人いた。手持ち花火が終わって下に落ちていたものを触って右手を受傷。花火の火がかかったのではない。右手の指にII度の熱傷を認めた。(1歳)(※1)
国民生活センターが行ったテスト結果(※1)によると、向かい風で花火を持った場合、火花等が身体に降りかかるため、肌の露出が多い服装や履物ではやけどを負う危険性が高いことがわかりました。また、温度が低いように見える燃えカスであっても、落下や消火後しばらくはやけどを負うほどの高温であり、スカートの裾に落ちた燃えカスにより着火する様子も確認されました。
以下のポイントを参考に、花火で遊ぶ際の事故を防ぎましょう。
<事故防止のポイント>
〇燃えやすいものがなく、広くて安全な場所を選び、風にも注意する
火災ややけどの事故を防ぐため、花火で遊ぶ人や見ている人との距離を十分にとりましょう。また、花火の風下では火花等が降りかかるおそれがあるため風向きへの注意が必要です。風が強い場合には花火は中止しましょう。
〇消火用の水を用意。服装にも注意する
事前準備が大切です。使用後の花火の消火や、万が一の火災ややけどへの迅速な対応のため、水の入ったバケツを用意しましょう。近くの水道の場所も確認しておきましょう。また、肌の露出が多い服装や履物、裾の広がった服装には注意が必要です。
〇子どもだけでなく大人も注意事項を守って一緒に楽しむ
花火のパッケージ等に記載された注意表示をよく確認し、大人の目の届く範囲で遊ばせましょう。対象年齢に満たない子どもには花火を持たせず、距離を置いて見せるなどして花火を楽しみましょう。
〇花火の燃えカス、ろうそくなどにも注意する
地面に落ちた燃えカスもしばらくは高温です。触らないようにしましょう。点火用のろうそくやライターの取扱いにも注意しましょう。また、冷却スプレーや殺虫剤などのスプレー缶製品や、消毒用アルコールなど引火性があるものは、火のそばで使用しない、使用してしばらくは火に近づかないようにしてください。
<着ている服などに火が燃え移ってしまったら>(※3)
その衣服が素早く脱ぐことができる場合は脱いでください。脱ぐことが難しい場合は、着火している部分を叩いたり、水をかけるなどして早急に消火しましょう。水がない場合は、走り回らないでその場に転がって、燃えているところを床や地面に押し付けて消火してください。
やけどをしてしまったら、すぐに10分以上冷やしましょう。刺激を避けるため、容器に溜めた水で冷やすか、水道水・シャワーを直接当てないようにしましょう。服の上から熱湯などがかかった場合は、脱がさずに服の上から冷やしてください。なお、市販の冷却シートは、やけどの手当てには使えません。
・全身の広い範囲・顔面などのやけどの場合:すぐに救急車を呼びましょう。
・やけどの範囲が片足、片腕以上の広範囲にわたる場合:救急車を呼ぶか、至急病院を受診しましょう。
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