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【被災地のいま 第59回 みやぎ生協から被災地・宮城のいまをお伝えします】

更新日:2018.07.05

地域外の人へ、次の世代へ、伝え続ける難しさ


建物を破壊しながら道路を遡る津波の映像を、津波復興祈念資料館「閖上の記憶」で見ました。7年前の3月11日、閖上中学校から撮影されたものです。壊れた家屋がぶつかり合う音や避難した人たちの悲鳴に胸が押しつぶされそうになります。

「閖上の記憶」はNPO法人地球のステージ(※)が運営している資料館です。命の大切さや震災体験を伝承していくため、語り部講話や閖上を案内する活動に取り組んでいます。

シアタールームでの津波映像の上映もその一部です。館内には、子どもたちが震災後、心のケアのために作ったジオラマや旧閖上中学校で実際に使われていたロッカー、時計などが展示されています。

館長の小齋正義さんは「映像や被災物を目の前にして説明すると、あの日に起きたことをより分かっていただけるのではないか」と話します。頂上の神社が流失した日和山や襲来した津波の高さに合わせて建てられた8.4メートルの慰霊碑も、津波の凄まじさを伝えるために案内します。


一方で名取市には津波の直撃を受けた建物がほとんど残っていません。「校舎も公民館もすべて解体された。遺構が無いなかで、見学に訪れた人たちにかつての街並みを想像してもらい、震災の教訓を伝えなければならない。その難しさを感じている」とも言います。


「閖上の記憶」には修学旅行の子どもたちがよく訪れます。次世代に震災の教訓を伝えていくことも課題なのですが、容易ではありません。「日和山には昭和8年の三陸地震で建立された“地震があったら津波の用心”の碑があったのに、地元住民でさえ知る人がいなかった」。小齋さんは、そこにもまた伝え続けることの難しさを見ています。「今は津波警報が出たらみんな逃げるでしょう。しかし100年後、200年後はどうか。後世の人に語り継ぐには、例えば碑を建てたら数年に一度刻んだ文字に墨入れをするなど、行事として残していくことが必要なのだと思います」。


語り伝える難しさに直面しながら、「閖上の記憶」は現在の閖上でできることを考え、実施しています。


※NPO法人地球のステージは心療内科医・桑山紀彦氏が代表を務める団体。2012年4月、津波の犠牲になった閖上中学校の生徒14名の慰霊碑を守る社務所として、また閖上の住民のコミュニティの場、命の大切さや震災を伝承していく場として「閖上の記憶」を設置した。


 

今年5月、ゆりあげ港朝市の近くに移転したばかりの「閖上の記憶」と館長の小齋正義(こさい・まさよし)さん。

今年5月、ゆりあげ港朝市の近くに移転したばかりの「閖上の記憶」と館長の小齋正義(こさい・まさよし)さん。

子どもたちが作成したジオラマ「あの日 おぼえている光景」

子どもたちが作成したジオラマ「あの日 おぼえている光景」

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