「子ども安全メール from 消費者庁 Vol.644」より抜粋
窒息や誤嚥(ごえん)(食べ物又は異物が気管に入ること。)は、様々な食品で起こる可能性があり、平成30年から令和4年までの5年間で5歳未満の子どもが43人亡くなっています(※1)。
硬い豆やナッツ類には、子どもがのどや気管に詰まらせて窒息したり、噛み砕いた小さなかけらが気道に入って肺炎や気管支炎を起こしたりするリスクがあります。奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではない子どもに食べさせると大変危険です。
また、硬い豆やナッツ類以外でも、子どもの口に入る大きさの丸くてつるっとしたもの、粘着性が高くて飲み込みづらいもの、かみ切りにくいものなどを子どもに食べさせる際には注意が必要です(※2)。
消費者庁・国民生活センターには、医療機関(※3)から、子どもが食品で窒息や誤嚥する事故情報が寄せられています。
事例1:炒り豆を口いっぱいに頬張っていたときに椅子から転落して顔をぶつけ、痛みで泣いた際に咳き込んだ。咳き込みが続いたため病院を受診したところ、CT検査で気管支に5mmの異物が確認された。手術にて異物(豆)を除去し、6日間の入院となった。(1歳)
事例2:約1cmの球形の飴を歩きながら食べていたところ、喉をかきむしり苦しがった。保護者が背中を叩いて吐き出させようとしたが顔色が悪くなり意識を失った。救急要請時の口頭指導で胸骨圧迫をしたところ、約8分後に呼吸をし始め、同時に口や鼻から血が出た。窒息に伴い心停止に近い状態であったと推測され、小児集中治療室に3日間入院となった。(5歳)
事例3:納豆巻きを切って食べさせて急に咳き込んだ。吐き出そうとして何も出てこなかったが、病院に着くまでかなり咳き込んでおり、経過観察のため通院が必要となった。(3歳)
硬い豆やナッツ類をはじめとする食品での窒息や誤嚥を防ぐため、以下の点に気をつけましょう。
◎食べているときは、姿勢をよくし、食べることに集中させましょう。また、泣いている時に食べ物をあげるのもやめましょう。
◎小さく切りわけても子どもが口に詰め込むこともあるため、少しずつよく噛んで食べるよう伝え、様子を見守りましょう。
◎硬くてかみ砕く必要のある豆やナッツ類は、5歳以下の子どもには食べさせないでください。
◎節分の豆まきは個包装されたものを使用するなど工夫して行い、5歳以下の子どもが拾って口に入れないように、後片付けを徹底しましょう。
なお、食品等の包装や乾燥剤を子どもが誤飲(食べ物以外の物を誤って口から摂取すること。)する事故も発生しているため、開封後の包装・乾燥剤の扱いにも留意が必要です。
もしも、のどが詰まって、声を出せない、苦しそうな呼吸が見られる、顔色が急に青くなるなど窒息が疑われる変化が現れた場合は、すぐに背中を叩く「背部叩打法」などの応急処置(※4)を速やかに行ってください。
※1: 厚生労働省「人口動態統計」。不慮の事故による死因における「W79_気道閉塞を生じた食物の誤えん」による死亡者数。
※3: 消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和6年1月現在で32機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。
(参考)
消費者安全調査委員会 動画「窒息事故から子どもを守る」
政府広報オンライン「「えっ?そんな小さいもので?」子供の窒息事故を防ぐ!」
(過去の関連メール)
Vol.569 パン等による子どもの窒息や誤嚥(ごえん)に気を付けましょう!
☆おすすめします☆
○「消費者庁 子どもを事故から守る!」公式ツイッターについて
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○「子どもを事故から守る!事故防止ハンドブック」について
消費者庁では、6歳以下の未就学の子どもに起こりやすい主な事故と、その予防法等をまとめました。保護者の方々、教育・保育関係者の方々はぜひご覧ください。(PCサイト)
=>https://www.caa.go.jp/policies/
policy/consumer_safety/child/project_002/
○ 子ども向け商品などのリコール情報を掲載しています。
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