「子ども安全メール from 消費者庁 Vol.646」より抜粋
新陳代謝が活発な赤ちゃんの身体を清潔に保つために大切な沐浴。ベビーバスを使用する方も多いと思いますが、使用時の転落や溺水などの事故情報が寄せられています。
事例1:半分開いた浴槽の蓋の上でベビーバスを使用中、乳児が転落し、湯の中で発見され、死亡が確認された。製品内部の空気量が少ないまま使用したため、使用者がその場を離れた際にバランスを崩した乳児が浴槽に転落したものと推定された。(0歳6か月、※1・2)
事例2:お湯を張った浴槽の蓋の上にベビーバスを置き、乳児を沐浴させていた。近くの物を取ろうとした際、保護者の足がひっかかって浴槽の蓋がずれ、乳児がベビーバスごと浴槽の中に落ち、顔がお湯に浸かった。すぐに引き上げたが、乳児は落ちる際に頭と背中を打撲した。(0歳2か月、※3)
事例3:湯を張ったベビーバスに乳児を座らせていたところ、股部分のストッパーが外れ、寝返りする形でうつぶせになり湯の中に沈んだ。すぐに引き上げ、背中を叩くなどしたところ反応はあったが、数分間は呼吸が苦しそうだった。溺水のため通院が必要になった。(0歳6か月、※3)
事例4:テーブルの上にベビーバスを置き、その中に乳児を裸で寝かせていた。湯を入れるためにそばを離れたところ、ベビーバスごと床に転落した。くも膜下出血、肝破裂のため、小児集中治療室への5日間入室を含めて16日間の入院を要した。(0歳0か月、※3)
このほか、事前に湯温を確かめないまま湯に入れたり、赤ちゃんが入ったまま高温の足し湯をしたりして、赤ちゃんがやけどを負った事例なども報告されています。
赤ちゃんにとって安全で快適な沐浴ができるように、次のような点に注意しましょう。
◎使用方法や使用上の注意など、取扱説明書を確認し正しくセットしましょう。
◎ 浴槽の蓋の上で使用するのはやめましょう。
蓋がずれたりたわんだりして、転落するおそれがあります。浴槽の蓋以外でも、不安定な場所での使用は避けてください。
◎ 沐浴の際は、手の届く範囲で、赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。
少ない湯量でも溺れるおそれがあるほか、ベビーバスから、あるいはベビーバスごと転落するおそれもあります。その場を離れなくて済むよう、タオルや着替え等必要なものは事前に準備しておきましょう。
◎ 湯の温度を計りましょう。
大人の入浴温度より少しぬるめの38℃~40℃(※4)が目安です。手の感覚だけではなく、湯温計を使って計りましょう。
※1: 消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年4月から、関係機関から「事故情報」「危険情報」を広く収集し、事故防止に役立てるためのデータ収集・提供システムを運営管理しています (事故情報データバンク)。
※2:(独)製品評価技術基盤機構(NITE)の事故情報データベースの情報も参考にしています。
※3: 消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月から、医療機関(令和6年2月現在で32機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。
※4: 二宮啓子・今野美紀編集「小児看護学I 小児看護学概論・小児看護技術 (改訂第4版) 子どもと家族を理解し力を引き出す」p.444(南江堂、2022年)
(参考)
(過去の関連メール)
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消費者庁では、6歳以下の未就学の子どもに起こりやすい主な事故と、その予防法等をまとめました。保護者の方々、教育・保育関係者の方々はぜひご覧ください。(PCサイト)
=>https://www.caa.go.jp/policies/
policy/consumer_safety/child/project_002/
○ 子ども向け商品などのリコール情報を掲載しています。
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