「子ども安全メール from 消費者庁 Vol.645」より抜粋
手軽に湯を沸かしたり保温したりすることができる電気ケトルや電気ポット等(以下「電気ケトル等」といいます。)を、日常的に利用している方も多いと思います。一方で、小さなこどもが倒す等して、こぼれた湯でやけどを負う事故情報が、医療機関(※1)から寄せられています。
事例1:キッチンの棚(高さ約50cm、引き出すタイプ)に置いた電気ケトルのコードを、つかまり立ちをしていたこどもが引っ張って、ケトルを倒してしまった。ミルクのために用意をした直後の湯がかかり、右脚にやけどを負い、通院が必要になった。なお、ケトルは転倒時に湯が漏れにくい構造だったが、ロックをかけていなかった。(0歳10か月)
事例2:電気調乳ポットに湯を入れて机に置いていた。ハイハイをしていたこどもが電源コードを引っ張ってしまい、ポットが床に落ちた。湯がかかり、腕等にやけどを負い、通院が必要となった。(0歳5か月)
事例3:ダイニングテーブルに置いた電気ケトルの電源コードが壁際に垂れており、そこにこどもが引っ掛かって電気ケトルが倒れた。沸騰直前の湯がこぼれ、顔や上半身の広い範囲にやけどを負い、専門施設で治療のための入院が必要になった。ケトルには、転倒時に湯漏れを防ぐ等の安全機能はついていなかった。(1歳)
こどもは大人よりも皮膚が薄く、やけどのダメージが皮膚の奥深くまで影響し重症となってしまうことがあります。また、湯などの液体によるやけどの場合、受傷範囲が広範囲になることもあります。次の点に注意し、やけど事故の防止に努めましょう。
◎電気ケトル等は、電源コードも含めて小さなこどもの手の届かない場所に置きましょう。
◎転倒時に湯が漏れにくい構造等、安全に配慮した製品を選びましょう(※2)。
◎使用時は、適切にロックするなど安全機能を活用しましょう。蓋の閉め忘れや部品の破損・劣化(※3)にも注意してください。
なお、旅行先など、普段と違う使用環境でこどもがやけどを負う事故も起きています。製品のみならず、使用時の環境に危険がないか忘れずに確認しましょう。
もしも、やけどをしてしまったら、すぐに10分以上冷やしましょう。刺激を避けるため、蛇口やシャワーの水を患部に直接当てないようにしてください。服の上から熱湯などがかかった場合は、脱がさずに服の上から冷やしてください。市販の冷却シートは、やけどの手当てには使えません(※4)。
※1: 消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月から、医療機関(令和6年2月現在で32機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。
※2: 電気ケトル等には、一定の技術基準や安全基準に適合していることを電気製品認証協議会に参加する第三者認証機関が認証したことを示す「Sマーク」の付いたものがあります。転倒流水防止試験等の安全基準に合格した製品であり、転倒時に湯こぼれしにくい構造等となっています。
※3:安全機能があっても、内蓋のパッキンなど部品の劣化があれば湯漏れのリスクが高まります。必要に応じて部品を交換するなどメンテナンスを行いましょう。
(参考)
(過去の関連メール)
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○「消費者庁 子どもを事故から守る!」公式ツイッターについて
様々な子どもの事故防止に役立つ情報を随時発信しています。
○「子どもを事故から守る!事故防止ハンドブック」について
消費者庁では、6歳以下の未就学の子どもに起こりやすい主な事故と、その予防法等をまとめました。保護者の方々、教育・保育関係者の方々はぜひご覧ください。(PCサイト)
=>https://www.caa.go.jp/policies/
policy/consumer_safety/child/project_002/
○ 子ども向け商品などのリコール情報を掲載しています。
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