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【被災地のいま 第13回】みやぎ生協から被災地・宮城のいまをお伝えします

更新日:2014.09.05

いまも震災前の水準から遠く
 
「復興なんてまだまだ先」「売り上げが震災前の5割程度という企業もまだいっぱいあるよ」。宮城の水産加工業者の多くは、震災によるダメージからいまも十分に回復できていません。水産庁の調査(※)では、宮城県で生産能力が被災前の水準に戻った事業者は13%、売上げではたった8%しかありませんでした。

復興をはばむ主な要因は、販路喪失、風評被害、人手不足です。
震災で宮城の水産加工品の生産は一時ストップしました。代わりにスーパーの棚を埋めたのは他産地の商品で、生産が再開されてもそれは続きました。さらに放射能の風評問題が水産加工業を直撃しました。

「震災前より、販路が狭くなった」。塩蔵わかめなどを製造する(株)志田金は、関東以南のスーパーとの取引が震災後大幅に減少しました。いち早く工場を再開したにも関わらず風評で売れない状況が続き、その間に従来の取引先では他産地のわかめへの切り替えが定着してしまったためです。代表取締役の志田金治郎さんは「風評被害がなければ、宮城の水産加工業はもっと早く売り上げを回復できていたはず」と言います。

漬け魚などを製造する三波食品(株)の専務取締役・松本晴幸さんも「関東は売り上げが伸びているが、西日本は風評のせいで、そもそも店に置いてもらえない」と話します。
人手不足も深刻です。「募集をかけても人が集まらない。高卒者もパートも、みんな給与の高い建設土木などに行く。中国やベトナムなどの労働力に頼らざるを得ない」と松本さんは思うようにいかない現実を口にします。

施設の復旧は進んでも販路や風評、人手不足の問題が解決されなければ復興とは言えない。そんな思いが「復興はまだ先」の言葉には込められているのです。
 

※「水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケート調査」(2014年4月16日、水産庁)

志田金の塩蔵わかめ生産工程。
志田金の塩蔵わかめ生産工程。
2014年6月に新工場が完成した三波食品。
2014年6月に新工場が完成した三波食品。
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